IEEE Sensors Lettersに研究成果が掲載されました。
IEEE Sensors Letters (IF 2.2)に協力学生の鈴木悠人さんとの共著論文が掲載されました。(小川が本論文の責任著者となります)
著者:Yuto Suzuki, Hidemitsu Furukawa, Jun Ogawa (Yamagata Univ.),
タイトル:Breath-YU: A Chewing–Breathing Coupled System Mimicking Oral and Nasal Cavities for Retronasal Aroma Sensing
掲載情報:https://ieeexplore.ieee.org/document/11372593
本研究では、Breath-YUと名付けた新しい咀嚼―呼吸シミュレーションシステムを提案しました。Breath-YUは人工的に構築した口腔―鼻腔モデルを備え、これまで客観的な評価が難しかったレトロネーザル香を定量的に識別することを目的として開発された装置です。レトロネーザル知覚とは、咀嚼中に食品から放出された揮発性成分が口腔から鼻腔へと移動することで生じる香り知覚であり、フレーバー認知において極めて重要な役割を果たします。一方で、この知覚は個人差の影響を強く受けるため、従来は客観的な評価が困難であす。
Breath-YUでは、人の顎運動を機械的に再現するとともに、咀嚼動作と同期した気流制御を行うことで、揮発成分の放出過程を高い再現性で実現しました。さらに、内蔵されたガスセンサにより、揮発性成分をリアルタイムに検出することが可能です。風味成分の種類や濃度を変えたグミ試料を用いた識別実験では、7名の被験者による官能評価では強度順の判断に留まったのに対し、Breath-YUはそれを上回る精度で客観的な定量評価を示しています。
これらの結果から、Breath-YUはレトロネーザル香の客観的解析を可能にする有望なプラットフォームであり、今後のフレーバー志向型食品開発や感性評価技術の高度化に貢献することが期待されます。



