|

一つの流路で液体と物体を逆方向に運ぶ蠕動ポンプの研究成果が、Artificial Life and Roboticsに掲載されました

協力学生の田山佳宗さんと小川純、古川英光教授による共著論文が、国際学術誌「Artificial Life and Robotics」に掲載されました。本論文では、小川が責任著者を務めています。

本研究では、腹足類の動きに着想を得て、単一の流路内で、液体と細長い物体を互いに逆方向へ輸送する蠕動ポンプ機構を開発しました。柔らかいチューブに連続的な波を生み出し、輸送する対象とチューブとの関わり方によって、搬送方向が変わることを示した研究です。

蠕動ポンプは、柔軟なチューブを順番に押しつぶすことで流体を送り出す装置で、医療や食品製造、バイオテクノロジーなどの分野で利用されています。本研究では、生物が身体に生み出す波状運動を搬送機構へと応用し、液体と物体の双方を扱う仕組みを検討しました。

開発した装置は、パラレルリンク機構と柔軟なシリコーンゴムチューブで構成されています。偏心軸とリンクの動きを組み合わせることで、一つのモータの回転から、滑らかな蠕動運動を発生させます。

実験では、液体が波の伝播方向へ運ばれる一方、チューブ壁面に拘束された細長い物体は、波とは逆方向へ運ばれることを確認しました。同じ駆動機構でも、流体を押し流す作用と、接触によって物体を送る作用では輸送方向が異なる点が特徴です。

本論文では、この搬送機構の提案と動作解析を報告しています。今後も、輸送対象や動作条件による違いを検証し、柔らかい材料と生物に学ぶ機構を活かした、新しい搬送技術への展開を目指します。

論文情報

タイトル
Peristaltic pump mechanism for differential bidirectional transport in a single channel

著者
Yoshimune Tayama, Jun Ogawa, Hidemitsu Furukawa(山形大学)

責任著者
Jun Ogawa(小川純)

掲載誌
Artificial Life and Robotics, Vol. 31, pp. 721–728, 2026

オンライン公開日
2026年4月27日

DOI・論文リンク
https://doi.org/10.1007/s10015-026-01126-5