研究紹介

不確実な患者行動に備える!AIによるバイトブロック脱着判断支援

バイトブロックは、麻酔管理中の不随意な咬合による気道関連の事故を防ぐために使用されます。一方で、長時間の装着は口腔内の圧迫損傷を引き起こす可能性があり、安全確保と組織保護の間には難しい判断が求められます。本研究では、バイトブロックを「いつ外し、いつ再挿入するか」という問題を、不確実な患者行動に対応する動的な意思決定として捉えています。

企業様との共同研究の充実と成果の実現へ。

私たちは、患者の咬合や歯ぎしりを再現する口腔シミュレータ「Bite Reflex」を開発しました。圧電センサによって咬合状態を検出し、停止、咬合、歯ぎしりといった動作を生成します。利用者は患者モデルの行動を観察しながら、バイトブロックの抜去・再挿入を判断することで、予測困難な状況に対応するための戦略を検討できます。

さらに、患者の行動を決定するAIと、バイトブロックの挿入・抜去を判断する看護師AIを構築し、両者を同一環境で学習させました。単純な行動モデルでは、患者AIが咬合を避け、看護師AIが挿入を続ける消極的な状態に陥りましたが、咬合と歯ぎしりの発生タイミングを複雑化することで、こう着状態が回避され、より積極的な判断行動が生じることが確認されました。

本研究は、実際の患者を対象とした訓練では再現が難しい、予測不能で判断の難しい咬合タイミングをAIによって生成し、バイトブロック管理の意思決定を安全に検討できる可能性を示しています。今後は、患者行動モデルの現実性をさらに高めるとともに、医療従事者による操作実験や臨床的評価を通じて、不確実な状況における医療を支援するシステムへ発展させます。

共用・共同研究に関心のある方はぜひご相談ください。

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YearNameTitleConference
2026Miki Inoue、Jun OgawaReframing Bite Block Removal Decisions as an Interaction Design Problem under UncertaintyACM DIS 2026
2026井上桃希、小川純AI の不穏行動によるバイトブロック脱着判断支援シミュレータロボティクス・メカトロニクス講演会2026
2026井上桃希、小川純人の介入によって患者の振る舞いは変化するか?―バイトブロック管理シミュレータにおける適応行動の検討―4DFF2026