食べているときの香りを捉える「Breath-YU」の研究成果が、IEEE Sensors Lettersに掲載されました
協力学生の鈴木悠人さんと古川英光教授、小川純による共著論文が、国際学術誌「IEEE Sensors Letters」に掲載されました。本論文では、小川が責任著者を務めています。
本研究では、人工的な口腔・鼻腔モデルを備えた咀嚼―呼吸シミュレーションシステム「Breath-YU」を開発しました。食品を噛む動きと呼吸による気流を連動させ、食べているときに鼻へと抜ける香り「レトロネーザル香」を捉える装置です。
食品のおいしさには、舌で感じる味や食感に加え、口の中から鼻へと届く香りも関わっています。咀嚼によって食品から放出された揮発性成分が鼻腔へ移動することで生じるこの香りは、フレーバーの認知に重要な役割を果たします。一方、人による評価には個人差があるため、条件をそろえて比較できる工学的な評価手法が求められています。
Breath-YUでは、人の顎運動を機械的に再現するとともに、咀嚼動作に同期した気流を制御します。さらに、内蔵したガスセンサで揮発性成分をリアルタイムに検出し、噛むことによって生じる香りの変化を、時系列の信号として読み取ります。
実験では、風味成分の種類や濃度を変えたグミ試料を用い、センサ応答に基づく識別を検証しました。また、7名による官能評価との比較を通じて、人の感覚による評価と装置による計測の関係を調べました。これらの取り組みから、咀嚼と気流を組み合わせた計測によって、食品間の香りの違いを客観的に捉える可能性を示しました。
今後は、より多様な食品や香りへの適用を進め、食感と香りを含めた食体験の理解を深めていきます。フレーバーを重視した食品開発や、人の感覚を支える評価技術への展開を目指します。
論文情報
タイトル
Breath-YU: A Chewing–Breathing Coupled System Mimicking Oral and Nasal Cavities for Retronasal Aroma Sensing
著者
Yuto Suzuki, Hidemitsu Furukawa, Jun Ogawa(山形大学)
責任著者
Jun Ogawa(小川純)
掲載誌
IEEE Sensors Letters
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